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中2自殺、決断は「学校が始まる」…最終報告書

[ニュース]

  •  千葉県館山市で2008年に中学2年の男子生徒が自殺した問題で、いじめとの関連を調べてきた第三者調査委員会(委員長=大野精一・星槎大教授)は10日、「いじめに遭って精神的苦痛が蓄積し、『学校が始まる』ということが最後の決断をさせた」とする最終報告書を金丸謙一市長に提出した。学校や市教委の当時の対応について「不適切だった」と批判した上で、再発防止を求めた。

     自殺したのは男子生徒(当時13歳)。08年9月10日、「もうこの世の中につかれました」との遺書を残し、自宅で首をつった。学校は生徒や教職員らを対象にアンケートや聞き取り調査を実施。「いじめにつながる事実はあったが、自殺に結びつく原因はわからなかった」と結論づけていた。

     遺族の要望を受けて発足した調査委は16年3月に初会合を開き、当時の同級生らに対するアンケート調査などを行ってきた。その結果、▽野球部の練習試合後のバスで制汗スプレーをまかれ、部員から「臭いぞ」と言われた▽部活動用バッグを汚損された▽母親が外国人であることを同級生数人がからかった――ことなどから、いじめに遭っていたと認定した。

     自殺を決意した理由について「学校生活で相当程度の精神的苦痛を受けていたことを踏まえると、『学校が始まる』ということが最後の決断をさせたと推認するのが合理的」と判断。特に部活動の開始が「大きな心理的負担になっていた可能性が高い」とした。ただ、「自死の原因全てが学校生活や部活動の問題と断定するに足る証拠はなく、原因の全容解明には至らなかった」とした。

     男子生徒の自殺を巡っては、学校が11年3月、自殺直後に行ったアンケートの原本を廃棄していたことが判明。さらに、市教委が再び行ったアンケートで「『臭い、うざい、死ね』と言われているのを聞いた」との回答があったにもかかわらず、公表していなかったことも明らかになった。

     最終報告書は、学校側の行為を「重要な原資料を校長や教頭だけの判断で廃棄したことは不適切」と批判。いじめへの対応も「十分だったか疑問が残る」とした。市教委に対しても「遺族が不信感を一層強めたのは当然で、あまりにも慎重さを欠いていた」と非難した。

     その上で、いじめに関する多様な情報提供ルートの確保や、情報の記録化などの再発防止策を提言した。

     記者会見した大野委員長は「学校や地域、保護者の信頼関係が大切だ」と強調。金丸市長は「長い時間がかかってしまって申し訳ない。報告書の提言内容を実現する措置を講じていきたい」と話した。

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    • 学校に行かなくてもいい選択ができる世の中になればいいなと思う。